Rose Cloud

ぽつりぽつり呟く、言の葉。

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真夜中に、目が覚めて…外へと出る。

吐息の白さに冬が近いことに気づき、上着を着てこなかった事を後悔する。

…けれど、こんな寒い日は星がとても綺麗で。

ふ、と綻ぶ口元から再び白い吐息が漏れて。


＿＿こんな、何気ない夜が、なんだかとても愛おしくて。

少し前までは、夜は何もないだけの時間だと思っていたはずなのに。

それを思い出し…自分の変化に気づく。


最近は楽しいことばかり思い出すようになった。

以前は悲しいことばかり思い出していた三年だったのに。

背も伸びて、髪も伸びて、声も変わって。

あの日の自分はもうここにはいない。

自分を変えた3年を、振り返ることは未だに出来ないけれど。

それでもいい、ゆっくり進むと決めたから。

今は前を向くだけだけれど、その勇気をくれたのは…きっと、　　だから。

ゆっくり、一歩一歩進めればいいと改めて祈って。


友人から貰ったヘッドフォンから流れる曲に耳を傾ける。

蓮の花に今は亡き友を唄った心地よい音と言葉に、耳を傾けながら…星を見上げる。


「帰ろう。…もう、帰る場所があるんだから。」

吐息と共に言の葉を落とし、ゆっくりと帰路に着く。

その足取りは、何処か軽かった。